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下の前歯のことはいくつか書きましたが、上の前歯はノータッチでしたね。上の前歯ってどんな役割があるのか、考えてみました。


1.リードに圧力を加えるサポート役(下の前歯の働きを助ける)
息でリードを振動させると音が出ますが、リードに適度な圧力を与え振動をコントロールするのが下の前歯の役目。上の前歯は下の前歯の働きを助ける役割があります。

上下の歯のイメージ。上下で協力することによってリードに圧力を加えられます。(洗濯バサミのイメージ)
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2.口やアゴを緩めた時に楽器を安定させる役目
演奏の途中で口やアゴを緩め休ませることでバテ防止や力みリセットができますが、上の前歯があることで、安心して休むことができます。

上の前歯がストッパーになるので楽器が前に動きません。
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3.頭の重さをリードに伝える役目
口周りやアゴの筋肉の負担を減らすために、頭の重さをマウスピースにほんの少し(ほんの少しです)向かわせることをお勧めしていますが、このときに頭の重さをマウスピースやリードに伝えるのが前歯の役目です。

これをすることでアゴで頑張らなくてもピンポイントでリードに圧力がかかりやすくなるので、疲れ軽減&息の通りが良くなり、リードがよく振動するようになります。
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これらができるように色々な工夫をするのですが、かといって「しっかり動かないように固定!!」は逆効果になります。

なぜなら、上の前歯は身体全体の自由をつかさどる超重要部分と直接つながっているから!!

上の前歯は頭蓋骨にくっついています。(意外とピンとこないですよね…)
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そして頭蓋骨は首の骨とつながっています。
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頭蓋骨と首の骨の接点(AO関節)はアレクサンダーテクニークでもよく話題に出ますが、ここが固まっていると身体全部に影響を与えてしまうんです。本当に全部です。全部すぎて恐ろしいくらいです。

わかりやすいところで言うと、AO関節から下にたどっていくと肋骨とつながる背骨(胸椎)があります。AO関節が固まっていると肋骨の動き=肺の動きにも影響を与えます。
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で、何を言いたいかというと「マウスピースにしっかり前歯を固定して吹こう」とか「パッチで響きを止めないように小さく切って歯がズレないようにくわえる」などをすると、前歯の動きを固めるようになるので、AO関節も連動して固まり、全身の動きに影響を与える可能性があるんですよね。

なので「固定」を意識をしすぎるのはNG。上の前歯が自然に安定するような角度や深さを探したり、自分に合ったパッチを貼る程度で十分だと思います。

また「噛まないようにそっとくわえる」とか「前歯の力を抜いて」‥という話でもありません。これは迷路の入り口です。全体のバランスがあっての上前歯なので、全体から考えてみてくださいね。

自分だけでは分からないときは、ぜひアレクサンダー教師のレッスンを受けてみてください(^^)/教室でももちろんサポートしてます!

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