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こんにちは、豊永よしこ(とよながよしこ)です。前回初心者、初級者の方のアンブシュアの不安定さの原因と指導について書きましたが、中級者以上の方も悩んでいる方は多いです。


中級者以上の方も不安定になってしまう根本原因は「息」にあるように感じます。


必要なだけの息が出せていない状態で(8割の方は不足してる印象)アンブシュアを安定させようと固めたり、技術があるだけに小手先で何とか安定させようとした結果、他に問題が出てくるケースが多いです。


アンブシュアは楽器の支え方(構え方)でも変わってきます。

本来楽器は上下の歯(頭)と右手親指(&小指)でバランスを取り続けますが、口周りの筋肉に意識が行きすぎると唇が余計に働かなくてはならないため、アンブシュアの微調整が難しくなり不安定になります。


「噛んではいけない」という思い込みが原因なことも多いです。

音を出すには上下の歯でマウスピースを安定させ、リードに圧を与えるために「噛む、挟む」ことが不可欠ですが、「噛んではいけない」という思い込みでこれを余計な力みと判断してしまうと「噛む、挟む」をやめてしまうので口周りがより頑張らなくてはならなくなり、不安定になります。


「柔らかくくわえる」「口周りをまとめるように使う」「口角を上げる」「アゴを平らに」などを心がけている方も多いですが、これもアンブシュアを不安定にさせる原因です。

アンブシュアは音を出すのに必要なことが全て出来た結果、その人に合った形が作られます。形にこだわりすぎると音を出すのに必要な息の意識や楽器の支え方が二の次になり、アンブシュアが自然に形作られることを邪魔します。いい形にならない→さらに形にこだわる→必要なことが疎かに→アンブシュアが決まらなくなる…と残念なループができてしまいます。


リードやマウスピースが自分の吹き方に合っていないのも原因です。

特にアンブシュアの負担を減らそうと、楽すぎる仕掛けを使っていると、歯で支える(噛む、挟む)と息の通り道が閉じられてしまうので、息の通り道を作ろうと「噛みながら緩める」という拮抗した力のかけ方をせざるをえなくなります。拮抗する力のかけ方をすることで調整が難しくなり不安定になっていきます。自分の息や噛む(挟む)圧力に合った道具を見直すと吹きやすく安定してきます。


またこれもかなり多いのですが、音程や音色をアンブシュアだけで微調整するクセがあると不安定になります。息があって初めて微調整しても音が安定するので、頭の中の思考を見直してクセを根気よく変えていくと良いでしょう。


あと、前回の記事にも書きましたが「筋力不足」も不安定さの原因です。ブランク明けでアンブシュアが不安定なのはごく普通のことです。


指導の際にはこんなことを中心に進めています。

・立ち方、座り方、構え方を見直す
・空間のとらえ方、楽譜の見方を見直す
・息の出し方、ブレスの仕組みを見直す
・吹くときに必要な身体の知識を学ぶ
・息を吸うとき&出すときの動きを見直す
・噛む、挟むタイミングと息を出すタイミングを見直す
・音が出る理屈を見直す
・思考のクセを見直す
・音を出す前の準備を見直す など


これらを少しずつ見直した結果、アンブシュアは安定してきます。直接形をどうこうする指導はほとんどしません。どういう風に見直していくのかは、これまでのブログにヒントを沢山書いていますので探してみてください。


中級者以上だからこそ、基礎の基礎に立ち返ることが大事です。

経験がありある程度吹けるからこそ、自分の慣れ親しんだ経験や常識から解決策を探そうとするので迷路から出づらくなるんです。

本気で変えたいなら、いったんこれまでのことを白紙にして初心者に戻ったつもりで奏法を見直す。

指導の際にも表面的な形や動きを直すのではなく、不安定さの根本原因を解明しながら生徒さんのペースで改善していくことをお勧めしたいと思います(^^)/



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「本格的なカレー食べたいな~」と思っていたら夫の知り合いのスリランカ人の方に頂いてしまいました!すごい引き寄せ!
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基礎の基礎の吹き方
身体の使いかたについて書かせていただきました。


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