ロングトーンやスケールなどの基礎練習、曲やエチュードに生かせていますか?今日は基礎練をエチュードにつなげていく練習の例を書いてみたいと思います。

今回のお題はこちら。ローズの32のエチュード、25番の1フレーズです。跳躍のあるメロディーをいかに滑らかにつなげるかが鍵になります。ロングトーン、スケールで練習したことをこのエチュードにつなげていきましょう。
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まずはロングトーンです。ここでの目的はできるだけ長く音をもたせることではなく、生きた音を創ることです。

拍は決めずに、一息で吹ける長さで練習します。曲中に出てくる音を中心に練習するとよいでしょう。

音を出す瞬間から音が消える最後の最後まで息で音を出すこと、出だしから音の最後の最後まで息の方向(息が身体の中を通る方向)を考えて吹きます。

拍を決めたロングトーンをやりたい場合は、これができてからでよいと思います。意図のない拍設定は悪い意味で息を節約するクセが付いたり、棒吹きや力みの原因になります。


次にスケールです。今回はこのような跳躍系のスケールを練習。
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全部スラーで、まずはゆ~っくり練習します。今回はメトロノームで16分音符60。余裕を持って色々なことを考え、準備しながら吹ける速さで練習しましょう。

スケールは最終的には曲につなげていくので、機械的にやるよりも、曲のつもりで練習するとより効果が出てきます。

ロングトーンで気を付けた息のことをもちろんスケールでもやります。「息を出だしから最後まで出し続ける、息の方向を考え続ける」

練習していると音の高さによって息の勢いを変える必要があることに気づくと思います。跳躍ではどのように息の勢いを変えていけばよいのか、研究してみましょう。

音の変わり目では息が弱まったり、息が一瞬止まってしまうこともあります。これはブツブツ切れてしまう原因になるので、音の変わり目は特に息のことを考えてみましょう。

また、アンブシュアが固まった状態だとなめらかに繋がりません。跳躍の時に、いつどれくらいアンブシュアを柔軟にしていくとスッと繋がるのかを研究してみましょう。

跳躍は指がばらけ、間に違う音が入ったり、指のタイミングがズレて音がスムーズに出なくなることもあります。指はトーンホールを塞ぐ、キーを押さえる力があれば十分、指がせりあがった構えになっていたら、両手小指を意識しながら動かしてみましょう。

右手親指の存在が希薄だと、楽器を握って指の自由が制限されるので、右手親指&上下の歯(頭)の支えの確認も忘れずに。

また、指の動きの質も滑らかさにとても関係しています。自分の完成形のイメージに合った指の動きも研究してみましょう。音を出しながらだとうまくいかなかったり、よくわからない場合は、音を出さずに息だけで空吹きで指の動かし方を研究してみます。

※できないときは負荷を出来るだけ減らすのが練習のコツです。負荷が軽い音を出さない練習やゆっくりで出来るようになったら、音を出したり、テンポを上げて負荷をかけていくと良いと思います。


そしていよいよエチュードにつなげていきます。
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ロングトーンで練習した「息の出し方」とスケールで練習した「指の動かし方」「音が動いていく状態での息の出し方」「アンブシュアの柔軟さ」をここで集結させます。

気をつけることが多いので1つできると1つ忘れる状態になりがちですが、忘れたらその都度必要なことを思い出してリセット。考えながら何度も繰り返し練習します。フレーズを細かく分けて練習したり、2音、3音ずつでさらに細かく練習するのもお勧めです。

出来るようになってきたら、技術的なことと同時に、全体の構成やフレーズのまとまり、和音の移り変わり、音の向かう先などを考えていくと、音楽的に吹けるようになるだけでなく、より吹きやすくなります。

基礎練では出来たのにエチュードになるとできなくなる時は、もう一度基礎練に戻って練習します。行ったり来たりしていくうちに、少しずつ質が上がってくると思います。


今日は1つの例を書きましたが、どんな曲、エチュードでも必ず基礎練につながっています。普段から基礎練のなかに曲やエチュードとの共通要素を探しながら練習することをおススメします。

基礎練をただのウォーミングアップや機械的な練習にせず、曲やエチュードに生かしてどんどんレベルを上げていきましょう(^^)/


ローズ32のエチュードはこちら。名エチュードなのでぜひ練習してみてください。





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